第41回秋の小岩井モデル撮影会 入賞作品
審査員 太田信子 全日本写真連盟関東本部委員
<総評>
毎年十月第一日曜日に開催されている小岩井秋のモデル撮影会は第41回を迎えました。41年もの長きにわたり継続されたことを関係諸機関の皆さまに深く感謝いたします。撮影会は世界でご活躍の安珠先生を撮影講師にお迎えし、岩手県内外からたくさんの写真愛好家が集まりました。心配された前日からの台風が過ぎ去り、秋晴れのもと熱気溢れる撮影会となりました。今年の写真コンテスト応募作品の特徴は、撮影や自家印刷技術向上に努力されたものが揃い、高レベルの作品が応募され、写真界の活性化につながりました。完成度が高い作品を審査する側も真剣で、どの写真も表現豊かであり審査員の心を掴みました。
最優秀賞 古谷広太郎「風に乗ってジャンプ」
秋日和のもと、満80歳を迎えた万年青年の作者は若者顔負けの行動力をもち、女性が青空に向けて飛び上がるショットを撮影したいと、地面に這いつくばり撮影されました。自然豊かな小岩井農場を背景に柔軟な姿態の女性が映っており、最優秀賞にふさわしい作品となりました。
朝日新聞社賞 平賀徳子「朱い実を見つめながら」
明治時代に建築された小岩井農場資料館木舎の窓辺に立ち朱い実を見つめる女性を撮影されました。小岩井の歴史を物語る白色の四角い窓枠、樹木の緑、朱い実の色調と構図をバランスよく考慮したうえで、窓辺にモデルを配置し撮影された秀逸な作品です。
全日本写真連盟賞 工藤卓美「私の道」
小岩井農場内の曲がりくねった道を歩きながら振り返る瞬間を見事に捉えました。黒ずくめのシンプルな服装を生かして、しなやかな体の動きを表現した逸品です。この女性はこの先どんな道を歩むのでしょうか。未来に幸いあれ。
小岩井農場賞 小野日和「金風」
台風一過のあとの爽やかな秋風が流れる撮影会で、作者は風になびく髪とサイロに映る樹木の影で秋を表現しました。
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